ブランドの感性情報を商品パッケージに落とし込む
公開日:2019年02月12日(火)|ブランディング
フィルムには、感性情報がいっぱい。
先日行きつけの篠原カメラ(大阪市阿倍野区)さん主催で、中版カメラ教室があったので参加してきました。ベテランの講師の先生について、昭和町界隈を参加者数人で撮影しながらブラブラと……。
このあたりは私が子供の頃住んでいた街で、今も当時の街並みが随所に残っています。
今となっては、歩いて散策することが中々ないのでとても新鮮でした。
私が使ったのは「6×6(ロクロク)」と呼ばれる「6cm×6cm(実行面積は56mm×56mm)」のフィルム(中版)です。
普通一般的なカメラは「横長」なんですが、これは正方形の画面です。
同じ画でも、長方形と正方形では感じ方がまた違いますね。
これも、面白いところです。
私も普段写真はスマートフォンだったり、貼り箱の写真を撮るにしてもデジタルカメラを使っています。
SNSにアップするのも簡単ですし、自社HPに掲載するのもデジタルなので編集は楽です。
まさに、デジタルの良さです。
しかし長年フィルムをやっていると、なにか物足りないと感じることがあります。
フィルムは当然、撮ったその場ではどんなふうに写っているかがわかりません。現像液を使って、物理的な「現像」をしないとどう撮れたか確認することは出来ません。現代のデジタル社会においては、とてもめんどくさくて時間とお金がかかります。
でもそれが面白くて、何かワクワクさせてくれることでもあります。
今となっては、ちょっとした贅沢かもしれません。
不便益(一見不便なのに、それが益になる)というやつです。
大人の趣味としては、いいですよね〜!!
今のデジタル写真は、実にキレイに写ります。フィルムとは比べものになりません。どっちがキレイと問われたら、間違いなくデジタル写真の方が美しいです。
ただ、フィルムをやってる人に言わせるとたしかにそうなんですが、理屈では説明出来ないような「その場の空気感」みたいなものが写る。なんて、よく言います。
科学的に説明出来ることではないですが、何か感じるものがあるというところでしょうか。
アナログってそういうところがあり、私は今でもジャズやクラシックのレコードを真空管アンプで鳴らします。レコードっていうだけでもたいそうですが、真空管のアンプですからまさにアナログの極み。
これも写真と似ていて、真空管の音色はCDのデジタルなものとは違います。
どちらがいいということではなく、やはり理屈ではない心に感じる音色なのです。
これと同じで、「フィルムは、目には見えないもの」を写し込むチカラがあると思っています。
その場の空気感だったり、そこにいる人の気持ちだったり…..。
「感性情報」というやつです。
貼り箱を創り出すのに、とっても大切なもの。
それは、感じるチカラ。
これは私達がパッケージ(貼り箱)をデザインし、つくる上でもとても大切なこと。
商品のブランドをどう感じ取るか、ユーザーはそのブランドをどう感じて購入するか?
ブランドの感性情報を、貼り箱に落とし込む必要があります。
それだけ「感性」に敏感でないと貼り箱をデザインし、創り出すことは出来ないのです。
これは勉強して身につくというよりも、そういう機会に普段からふれていることで感じることなのかもしれません。
フィルム、真空管、あとはウイスキー?
人間の感性を、震わせてくれるものかもしれませんね……。
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