D2Cパッケージ、化粧箱がコミュニケーションとブランド体験になる
公開日:2020年09月23日(水)|ブランディング
ブランド体験にとってのパッケージ
D2C、ECにとって大切なUnboxing(開封の儀)
ブランディングエージェンシーの株式会社フラクタさんの本で、今話題のD2C(Direct to Consumer)を題材にした「DtoC After 2020 日本ブランドの未来(株式会社宣伝会議)」を読んでいます。
D2Cとは、EC(電子商取引)を中心として「企業が直接顧客とつながる」というもの。
そう聞くと、「中間流通を抜いて、メーカーが顧客に直接販売するやつね。」となりますが、それとはちょっと違います。
中間流通がないのはそうなんですが、それよりも重要なのは企業の顧客との関係。
広告代理店などを介さず、企業と顧客が直接コミュニケーションを深く取っています。
より強い顧客との信頼関係の構築によって、ブランドの価値を高めます。
そして、そこには創業者や企業としてのストーリーがあり、ブランドに意思や人格が感じられるようになります。
このあたりは、今までの「BtoC」とは違ったブランディングといえるでしょう。
<パッケージ・化粧箱がブランディングになる体験価値>
https://www.hakoya.biz/blog/branding/item_1197.html
企業が、いい商品やサービスを提供するのは今や当たり前ですが、単なる商品やサービスの良さだけでなく、大切なのは顧客(ファン)の共感。
ビジネスを超えた「共感」が、そのブランドをより高みにいざなうのです。
この中で、ブランドが顧客へ提供するシンボリック・エクスペリエンス(ブランドにとっての象徴的な体験)がとても重要と述べられています。
そのひとつが、商品が届いて箱(パッケージ)から取り出す瞬間。
箱の開封は、UX(User Experience)
英語では「Unboxing(開封の儀)」といいますが、その典型的な例はアップルの新しいiPhoneを買ったときに箱(貼り箱)から取り出すときです。
iPhoneの箱は、一見そんな特殊なものではないのですが、無駄を削ぎ落としたシンプルで美しいデザイン。フタを開けるとき、絶妙な勘合(合口:あいくち)による空気の抜け感が、まさにブランド体験なのです。
商品パッケージ/化粧箱には、顧客が商品とのワクワクする出会いを演出する大切な役割があります。
企業と顧客との大事なコンタクトポイントであり、パッケージデザインから箱の素材感や仕上げに至るまでのこだわりが、ブランドの世界観を感じさせてくれます。
パッケージ(化粧箱)が、ブランドとして一つの人格を持っているかのような体験であり、大切な顧客接点つまりブランドへの入り口です。
ブランド体験をもたらすパッケージ
パッケージは、顧客接点としてのコミュニケーションツール
2020年度、アップルはiPhoneを2億台近くを販売すると思われます。
あの箱は一個あたり数百円?と言われており、箱代だけで膨大な金額になります。
しかし、アップルじはこのパッケージによるブランド体験のための費用は単なる「コスト」とは考えていません。
ブランドのための投資であり、それは長い目でみて「ブランド資産」になると考えています。
そうでないと、年間2億台販売される商品に、こんな箱代をつぎ込みません。
一般的なメーカーだとこれだけ販売数の多い商品には、コストをいかに安くするかを考えて箱代は抑えにかかります。
そこに価値を見出すアップルは、見ているものが違うのです。
目の前のお金ではなく長い目でみて、それがブランドにとって資産になるのか負債になるのかをみています。
ブランド体験としての商品パッケージ。
包装資材としてだけでなく、あなたにとって貴重なブランド体験の一つとしてパッケージを考えてみてください。
それに、ブランドと顧客を結ぶ顧客接点(コンタクトポイント/タッチポイント)としてコミュニケーションの役割を果たすのがパッケージ、化粧箱、貼り箱です。
<それを体現した、ある大手B2B企業の事例>
iPhone貼り箱のような高級感のある仕上げのパッケージ(化粧箱)
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