パッケージの意味。顧客は何に対価を払うのか?
公開日:2022年09月23日(金)|ブランディング
違うものを売るトヨタとフェラーリ
世間では、トヨタもフェラーリもカテゴリーとしては同じ自動車メーカーです。確かに、間違ってはいません。
しかし、その本質は実は違います。トヨタを買う人は、移動手段としてトヨタ車をみています。トヨタのフラッグシップ、レクサスでさえ高級な移動手段です。
しかし、フェラーリを買う人は移動手段とは考えません。今のフェラーリだと、新車で買うと少なくとも3,000万円くらいはします。これが限定車だと、数千万円〜1億円以上。移動手段としては、どう考えても高価過ぎます。
機能ではなく、情緒的価値への対価
ブランディングとマーケティングの視点が必要
フェラーリを買う人は、「フェラーリを自ら操る」「フェラーリを所有する」よろこびを得るために、数千万円の対価を払うのです。
あなたのブランドが、カテゴリーの中でどのポジショニングに位置するのか?
それによって、顧客に何を届けるのかが決まります。
トヨタとフェラーリは、両方ともカタチは自動車ですが意味が違うのです。
つまり顧客に届ける価値が、移動手段なのか所有するよろこびなのか、全く違います。
トヨタの競合相手はホンダやフォルクスワーゲンなど、同じ既存の自動車メーカーです。
しかしフェラーリの競合相手は、その意味において自動車だけにとどまりません。
エルメスやロレックスなど、ラグジュアリー・ブランド全般。もしくは、都心郊外の別荘かもしれません。
トヨタは「移動手段」という機能を売っていますが、フェラーリは「自ら操る、所有するよろこび」という高い付加価値を売っています。
ブランド資産は売上と利益に直結する
ちなみに営業利益率でいうとトヨタが約10%、これは量産車メーカーとしてはトップクラスです。しかし、フェラーリは約25%と2倍以上の差があり、機能ではなく顧客価値を売っている証です。
このようにブランドのポジショニング(立ち位置)によって、顧客が支払う金額に大きな違いが生まれます。そして商品選択の基準が、かたやコストパフォーマンスで選ばれ、もう一方はそれとは別次元の独自の顧客価値で選ばれます。
マスブランド(標準化された商品を大量生産大量流通させる)とラグジュアリーブランド(明確なブランドアイデンティティを持った資産価値の高いブランド)、この違いはとても大きいのです。
ブランディングとマーケティングの視点でみると、両社は全くちがうものを売っているのです。
パッケージは大切な顧客接点
パッケージ/パッケージデザインは、顧客にブランドイメージを届ける
商品を包むパッケージ/化粧箱。弊社では、貼り箱(はりばこ)です。
弊社の貼箱は、機能的価値としては包装資材(商品を包む、保護する、運ぶ)。
しかし情緒的価値としては、貼り箱を通して「ブランド価値を伝える」「顧客接点(タッチポイント/コンタクトポイント)としてのコミュニケーション」「ブランドの意思を運ぶ」という役割を売っています。つまり、ブランドイメージを顧客に届けるという大きな役割があります。
商品パッケージは単なる包装資材ではなく、実は別の意味を持っているのです。
あなたのブランドも、そんな意味をもったパッケージ/貼り箱を考えてみてください。新たなパッケージ&パッケージデザインが生まれるかもしれません。
参考文献:
ビジネスエリートになるための 投資家の思考法(著者:奥野一成)
「トヨタ・フェラーリ・テスラ」あなたならどこに投資する?
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