ブランドへの投資は積み重なる:パッケージ編
公開日:2022年12月13日(火)|ブランディング
商品パッケージ/化粧箱の意味とは?
パッケージは、ブランド資産/ブランドエクイティとして積み重なる
私たちがつくっているのは、貼り箱(はりばこ)と呼ばれる商品パッケージ/化粧箱の一つです。
パッケージ/化粧箱というと、企業側からするとコスト(費用)です。
コストと考えると、「いかに抑えるか」を考えるのが企業の心理であり論理です。間違ってはいません。
ただ考えなければいけないのは、商品パッケージ/化粧箱をどういう「意味」で捉えるかです。
コストだと考えると、出来るだけ抑えたい。しかし、商品にとってパッケージは重要だからいいパッケージ、高級感のあるパッケージは欲しい。という矛盾が生まれます。パッケージには、永遠につきまとう課題です。
しかし、ブランド価値を伝えるもの。顧客接点(タッチポイント/コンタクトポイント)として、ブランドコミュニケーションの一つだと考えるとコストではなく、ブランドへの投資としてパッケージの意味が変わります。
コストとして、価格を抑えたパッケージをつくるとします。その場では費用が抑えられ、一見得をしたようにみえます。例えば、今まで100万円かかっていたものを、パッケージを変えて60万円で抑えたら、現実として40万円得をします。
ただそれだけ費用を落とすということは、当然クオリティは下がります。
コストは単に消耗/消費される
価値転換することでブランド資産になり、それは積み重なる
パッケージを包装資材というコストと考えると、単に「経営的な数字」にみえます。しかし、ブランドイメージを伝えるための投資と考えると、ブランディング/コミュニケーションに価値転換されます。
コストになるといくら抑えても消耗/消費されて終わりですが、ブランド資産(ブランドエクイティ/Brand Equity)として価値転換されると、そのすべてが積み重なっていきます。その積み重ねがあってはじめて、ブランドになりファンが生まれるのです。
企業として、地道にブランド資産を積み重ねる。一見遠回りに思えますが、実はそれがブランドへの一番近い道かもしれません。
ブランド構築/ブランディングは、お金をかけたらすぐブランドになるわけでありません。小さなことからでも、顧客とのコミュニケーションを時間をかけて積み上げていくことで、顧客の頭の中にブランドが生まれるのです。
コストと考えるのは簡単ですが、目先の費用削減だけしても、顧客にブランドイメージは伝わりません。
<時は流れない。それは積み重なる。C.秋山晶、CL.サントリー>
サントリーの有名なコピーで、「時は流れない。それは積み重なる。」というのがあります。私の大好きなコピーの一つです。これは「時間はただ過ぎ去るのではなく、人として様々な経験をすることで成長する。」ということでしょうか。
ブランドコミュニケーションも同じです。パッケージ/化粧箱を含めて、いろいろな顧客接点でコミュニケーションすることで、ブランド資産が積み重なっていく。それが長い時間をかけて、ブランドになっていくのです。
コストと思う前に、パッケージ/化粧箱の意味をもう一度考えてみてください。
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貼り箱ディレクターである村上誠(村上紙器工業所 代表)と親交のあるクリエイティブに関わる方が、パッケージやデザインに関するアイデア、視点、果てはお互いの考え方や生き方について語らいます。