パッケージデザイン、マーケティング、商品企画、は同時に進める
公開日:2019年05月06日(月)|デザイン
プロダクトデザインではマーケティング部門との連携が重要
先日放送されていたテレビ番組で、イタリアを代表する家電メーカー「デロンギ」のプロダクト・デザイナーのことが語られていました。
同社のフレンチェスカさんはデロンギのシニアデザイナーとして、デロンギ社の製品デザインを統括し、トレンドスペシャリストでもあります。
デロンギ社はオイルヒーターなど暖房機器を中心としたメーカーでしたが、現在は電気ケトルなどのキッチン家電やエスプレッソマシンなどコーヒーメーカーが世界的に有名です。
それら製品群のプロダクト・デザインを統括するフレンチェスカさんは、機能性と美しさを追求し続けるデザイナー。
同社にはモノ作りの文化に加えて、美しさの文化がある。
社内のデザイナーがデザインして、製品化の研究所も社内にある。デロンギの製品はまずデザインが美しく、その上で機能的にも優れてるものでなければなりません。
人々の生活スタイルに適したデザインを追求することで顧客を刺激し続けるためなのです。
製品の発案は、マーケティング担当者との自由なアイデア交換や情報の共有から始まる。
この打ち合わせからまずはムードボードを作り、ターゲットの市場の情報をベースにしながら開発する製品のカスタマーモデルを設定します。
プロダクトデザインの出発点は、ターゲットとする市場の需要や傾向を精密に分析するトレンドリサーチから。
人々にとって新しく、かつ有用なプロダクトとは何か?
そのような顧客の視点に立ったアイデアを組み合わせ、具体的なデザインとしてスケッチしていきます。
手間と時間、トライ&エラーを積み重ねてデザインが生み出されます。
また新しく生み出されるドリップコーヒーマシンでは、職人的なモノ作りが伝えるクオリティへのこだわりを、ヴェネツィアと深いつながりを持つ、この地域の文化的伝統として、ガラス製品のプロダクトに反映させました。
デロンギのモノづくりは、シンプルなデザインと創造性、マーケティングの組み合わせが素晴らしいですね。
製品をつくる上でのデザインそのものは大切ですが、特に製品(プロダクト)デザインではマーケティング部門との連携は重要です。そこには市場のトレンドも見つつ、自社の目指すデザインとの絶妙なバランスが、デロンギの生み出す製品群の素晴らしさだといえるでしょう。
パッケージデザイン、マーケティング、商品企画は、本来同時に進める
商品パッケージも、同じことがいえます。よくあるのが、商品企画も価格設定、発売日もすべて出来上がり、一番最後にパッケージとして貼り箱のご相談をいただくケースです。
すべての企画が出来上がっているので、パッケージにとっての選択肢は殆ど限られています。大きいのはその予算。もちろん余裕があればいいですが現実的には低い場合が多く、「そのご予算では無理です」ということもしばしばあります。
求める理想は高く、予算は低い!! です。
商品を包むパッケージは、包装資材という機能だけではありません。
顧客接点として、ブランドコミュニケーションの大きな担い手でもあるのです。
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パッケージは商品の“顔”。 商品の企画開発段階から関わる意義
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