パッケージで、自己実現欲求「Wow!(ワオ)」をつくり出す
公開日:2020年07月24日(金)|デザイン
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?(著者:山口周)を読みました。
その中で大きなポイントは、マーケティングとして世界中の市場が「自己実現的消費」へ向かっていることです。
マズローの欲求5段階説によると、人間の欲求は次の5段階があると説いています。
第1段階 生理的欲求(食欲、睡眠欲、性欲などの本能)
第2段階 安全欲求(最低限の安全、安心な暮らし)
第3段階 社会的欲求(社会に受け入れられたい)
第4段階 承認欲求(他者から評価、認められたい)
第5段階 自己実現欲求(自分らしく生きていきたい)
以前は市場にモノがない時代、人はこれらの段階を経てモノやサービスを生み出し、社会が豊かになっていきました。
しかし現在は、市場にはモノやサービスが溢れています。
例えば日本の家電製品や自動車などは、コストパフォーマンスがよくて高性能、高品質を武器に、ある時期は世界を席巻しました。
ジャパン・アズ・ナンバーワン(Japan as Number One)といわれた時代(1980年代〜)です。
これらの商品は性能、品質、価格など、スペック重視のものです。
アナログ製品が中心で、日本以外ではまだ中々真似が出来ない時代でした。
しかし今はデジタル全盛期、自動車がエンジンからEVに変わるように、スマートフォンなどデジタル機器は他国と日本の差がほとんどなくなりました。
ほとんど全てのものが、どれもよく似た商品になってきたのです。
今までスペック重視で商品を生み出して来た日本にとっては、とても難しくなっています。
人の欲求をほとんど満たしている今は自己実現欲求、つまり自分らしく生きる、心地良い生活、自然体で創造的な活動が求められます。
市場ではそれらを刺激するような感性や美意識がとても大切で、ブランドの世界観をつくり、モノだけでなくUX(ユーザー体験:user experience)も求められています。
「Wow!(ワオ)」をつくり出す
・マーケティング 1.0:製品中心(プロダクトアウト)
・マーケティング 2.0:消費者志向(マーケットイン)
・マーケティング 3.0:価値主導(価値共創、社会貢献)
・マーケティング 4.0:自己実現(自分らしく生きる)
米国の経営学者であるフィリップ・コトラー教授による「マーケティング 4.0」が提唱され、マーケティングは新たなフェーズに入りました。
製品中心〜消費者志向〜価値主導、そして自己実現(自分らしく生きる)へ。
「ワオ!」とは、予想外の驚き。
少し期待していたものが、それより大きな驚きや感動があれば「ワオ!」が生まれます。
「ワオ!」はたまたま偶然生まれるものではなく、意図的につくり出すもの。
つまり、マーケティングです。
ロジカルな計算と、感性から導き出します。
今までのスペック重視の商品企画や開発を、感性や美意識にベクトルを変えていく必要がありますね。
商品のパッケージや化粧箱も同じです。
従来のスペックやコスト優先ではなく、お客様が箱を手にしたときの「ワオ!(すごい)」があれば、人の感性や美意識を大いに刺激してくれます。
あなたも、そんな「ワオ!」を感じるパッケージをつくりませんか?
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