貼り箱のパッケージデザインは、非言語/ノンバーバルコミュニケーション
公開日:2024年04月02日(火)|デザイン
貼り箱と組み箱の違いは?
各々に良い面と悪い面がある
商品パッケージ/化粧箱の中でも、マイナーな存在の「貼り箱(はりばこ)」。
量産性やコスト面では、世間一般に使われている「組み箱(トムソン箱)」と比べると圧倒的に少ないのが現状です。
組み箱は何百万個でも何千万個でも容易に製作できますし、何よりもコスト的には圧倒的に安価です。
それに比べると、貼り箱はまず価格的に組み箱の数倍〜数十倍します(ロット数や仕様によります)。そして、作った段階で立体物なので折り畳めません。すなわち、箱を移動する(運賃)だけでもお金がかかります。
貼り箱は一見、デメリットばかりのような気がしますよね。
もちろん、悪い面ばかりではりません。組み箱では表現できない高級感や上質感がありブランドのイメージ感があります。iPhoneやティファニー、ブルガリなど高級ブランドは貼り箱を使うことが多いです。
そして何よりも、パッケージとしてのコミュニケーション方法が違います。
パッケージ/化粧箱は、商品/ブランドとユーザー/消費者とを結ぶ大切な顧客接点(コンタクトポイント、タッチポイント)です。つまり、ブランドとユーザーのコミュニケーションを担う重要なツールでもあります。
組み箱におけるパッケージデザインは、主に写真やイラスト、ブランドネームやキャッチコピーなどの言語コミュニケーション。
それに対して貼り箱は、基本的に非言語/ノンバーバル・コミュニケーション(non-verbal communication)です(もちろん例外もあります)。
具体的に貼り箱の場合、箱に貼る素材(基本的には紙)の素材感/質感や素材の持つ色によってブランドイメージを伝える、つまりブランドコミュニケーションするのです。
商品を購入したお客様は、商品より先にパッケージ/化粧箱を見て触ります。そして、パッケージを開封して商品を取り出すという一連の儀式(開封の儀:英語でUnboxing)の後、商品とご対面です。
特に貼り箱を持ったとき、手に触った感覚(紙の質感や硬さ、重量感)が非言語/ノンバーバルコミュニケーションとして効果するのです。
すなわち、貼り箱は非言語のコミュニケーションなんです。
私たちが、貼り箱のパッケージデザインで一番こだわるのは素材選びです。
例えば、一番シンプルな「かぶせフタ式(C式)」でも貼る紙の質感や色を変えるだけで、パッケージのイメージ=ブランドイメージが大きく変わります。
白や黒、グレーなど無彩色なモノトーンな紙と色(濃い、薄い)紙とではかなりイメージが違いますし紙の質感、表面のフラットなものやざらざらした紙、あるいは凹凸(エンボス)のある紙によって、箱を手にしたときの触った感触=イメージが変わりますね。専門的には、CMFデザインといいます。
これはまさに、非言語/ノンバーバルコミュニケーションとしての効果です。
※CMFデザイン:貼り箱のサーフェイス(表面)を構成する「COLOR(色)、MATERIAL(素材)、FINISH(仕上げ)」の3つの要素(CMF)からこう呼ばれる。
非言語コミュニケーションが、人間の感性に訴える
写真などビジュアルとネーミングやコピーなどの言語コミュニケーションと、素材感や色を活かした非言語コミュニケーション。どちらにも良さがありますが、言語よりも直感的なパッケージデザインといえるのが貼り箱のおもしろさです。
非言語コミュニケーションのパッケージ/貼り箱を使ってみるのも、あなたのブランドにとってイメージ効果が上がるかもしれません。一度、お試しください。
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