パッケージデザインと現実とのギャップ、変形の貼り箱

公開日:2025年04月01日(火)デザイン

パッケージデザインと現実とのギャップ、変形の貼り箱

パッケージデザインは実際に作ることを考える

以前、サンプルで作ったピラミッド型の貼箱です。
量産しようと思えば出来なくはないでしょうが、ここまで手の凝った貼り箱を作るとなると一体いくらかかるのか?

技術的にもとても高度で、簡単には作れないです。変形の貼り箱は、トムソン箱に比べると構造上かなり複雑になるため、ある程度のものは製作可能ですが、一般的な四角形に比べて数倍〜10倍以上?のコストがかかります。

予算を掛けてもいいなら別ですが、現実的には作れないでしょうね。
それならカタチに拘るよりも、四角形でいいのでオーソドックスな貼り箱。そしてディティールの仕上げにこだわった美しい貼り箱の方がはるかに現実的であり、何よりもクライアントのブランドイメージを表すパッケージデザインになります。


業界の常識外の場外乱闘?!

最近、企画・製作したブック式の貼り箱があります。
パッと見はごく普通のブック式貼り箱で、表紙が左右に色分けさてるくらい。これ、普通に考えると白い紙(紙名:五感紙)に黒部分を印刷をしてると思いますよね?

ところが実は、印刷された1枚の紙を貼っているのではなく、「五感紙」の2色(ナチュラルと黒)を、表紙の真ん中で突き合わせて作っています。

最初に、このパッケージデザイン案を聞いたときは耳を疑いました。
表紙は1枚の紙で包むのが常識で、2枚の紙を真ん中で「突き合わせ」るなんて考えたこともありません。まったくの予想外で、場外乱闘?って感じです。笑

業界の常識的ではありえませんし、最初に思ったのは「そんな箱、作れるのか?」でした。こういう2枚の紙を使う貼り箱はなくはないのですが、通常2枚の紙を使う場合はつなぎ目部分に5mm程度の重なりを作ります。
それなら比較的作るのは簡単なのですが、重なる部分は紙が2重になるので紙厚分だけ盛り上がります。それでは見た目的にも触った感じもあまり良くないため、いっそのこと真ん中で突き合わせたらどうか?となりました。

実際は作ってみないと本当に作れるのかがわからなかったため、まずは試作の試作をやってみました。そうしたら、「何とかなりそう」な結果だったのでサンプルを作ることに。ロゴの位置も、微妙な位置合わせだったので苦労しましたが見事に完成しました。

単純にいうと「印刷したらいいやん。」となるのですが、印刷した黒と元々原紙から染めた紙の色(黒)は違います。とても微妙ではありますが、そこに手間暇をかけて出来た貼り箱。
パッと見の目新しさはありませんが、ディティールを極めると正にこのことです。
世の中に、こな貼り箱/パッケージがあってもいいですね。

パッケージデザインと現実とのギャップ、変形パッケージ

いくらかかってもいいですか?

デザイナーの方から「こんな貼り箱を作れますか?」と、時々ものすごく複雑な形状のパッケージデザインが来ることがあります。答えは2つ、「物理的に作れません」と「作れなくはないですが、いくらかかってもいいですか?」というもの。

「物理的に作れません」は、いわゆる「絵に書いた餅」で紙では作れない(特に貼り箱)もの。もう一つの「作れなくはないですが、いくらかかってもいいですか?」はその言葉通り、仮に製作するとしても、例えばロット500個で作って単価が@1万円以上かかるとか。

箱代が500万円以上に、別途初期費用(木型代、サンプル製作費、企画費など)が数十万円。トータル500数十万円以上?かけてもいいなら製作は可能です、みたいな案件です。そのクラスになると相当複雑なパーツと加工工程になるので、500個作るのに納期が1年以上かかるようなお話になります。

その覚悟を持って話をいただけるならいいのですが、ほぼすべての案件はとても安易に考えているケース。デザイナーの方は製造現場を知らない人が少なくなく、あくまでもデザイン優先で実際に「作ること」を考えていない方もいらっしゃいます。製造現場を、もっと知っていただきたいですね。

弊社は現場をオープンにしていますので、デザイナーや企業の商品企画や商品開発の担当者の方々は、ぜひ工場見学にお越しください。お待ちしています。

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