売っているのはコミュニケーション、ブランディングという顧客価値
公開日:2022年08月06日(土)|展示会
昨日の「パッケージ展2022(主催:大阪産業創造館/クリエイティブネットワークセンター大阪メビック)」が、無事に終了しました。
コロナ禍のため、3部構成で来場人数を絞っての開催でした。
午前中の展示参加社プレゼンテーションでは約4分間喋りましたが、内容が定まったのが前日で中々練習する間もなく、ぶっつけ本番のようなカタチでした。とりあえず、喋りたいことは喋った感じです。
仕事には簡単につながりませんが、人前で喋るのは機会があればやっておきたいですね。
プレゼン内容は、先日ブログで「あなたは、本当は何を売っていますか?」を書いたので、これをネタにしようかとストーリーを書きました。
パッケージの力で、ブランドコミュニケーションをデザインする
ウチはパッケージの一種である「貼り箱」を企画/製造している小さな町工場。
カテゴリーでいうと、典型的な製造業です。当然、「貼り箱」というモノを作って売っているのですが、実は目に見えない顧客価値を売っていると考えています。
当日は私の友人が、プレゼンの音声録音から内容を書き起こしてくれたのでこちらに記します。
—大阪産業創造館3F、ステージ上でのプレゼンテーション—
皆さん、こんにちは。
村上紙器工業所の村上誠といいます。今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。
ウチは、パッケージのなかでも「貼り箱」を作っています。
貼り箱というのはあまり聞きなれない言葉ですが、一般的にはお菓子の箱とかちょっといい化粧品の箱で使われていますので、一般の方でもご覧いただいていると思います。
ウチは貼り箱を作って売っているんですが、本当に売っているのは実は貼り箱ではありません。
例えば、スターバックス。
スターバックスはカフェなのでコーヒーを売っていますが、これはよく知られていることですが、スターバックスのコンセプトは” Third place”、いわゆる「第3の場所」です。
自宅でもない、職場でもない、自分を開放できる第3の場所。そこで過ごす、時間と空間を売っています。
これが、車だったらどうでしょう?
あなたにとって「車とは何ですか?」と言われると、大体のお答えは「移動手段」ということがあると思います。
車に乗って人が移動する、もしくは荷物を積んで運ぶみたいなことですよね。この機能を満たすのであれば、100万円ぐらいの車でも機能的には充分です。
でもお金があって、もっといい車が欲しいという方にとれば、例えばLEXUSであったりベンツであったりを購入される方もいます。
もっとお金があれば、フェラーリという選択肢もあるわけです。
フェラーリだと、新車で今買うとおよそ3,000万円。これがもし限定車になると1億円とか2億円、そういう価格になります。
では、フェラーリを買う人はいったい何を買っているか。
もちろんスーパーカーとしての車、フェラーリが好きという方も当然いると思います。しかし、フェラーリを買う人というのは「自分でフェラーリを操る」、もしくは「フェラーリを所有する」という意味を買っているわけです。
さて、ここからが本題に入りますが、ウチの貼り箱はいったい「何を売っている」のか?
パッケージの基本的な機能は、「包む」「中身を保護する」もしくは「運ぶ」です。しかしウチでいうと、貼り箱を通して「お客様のブランド価値を、顧客に伝える」。つまり、ブランドメッセージなんです。
それが、ウチの貼り箱でいうと「意思を運ぶ箱。」になります。
パッケージは、ブランドと顧客をつなぐ大切な接点、コンタクトポイント/タッチポイントといいますが、実際のところはコミュニケーション・ツールなんです。
その意味でいうと、ウチの貼り箱はコミュニケーション、もしくはブランド価値を伝えるブランディングという「顧客価値」を売っています。
パッケージは、ブランド資産づくりと考えてみる
そう考えると、単なる包装資材という「コスト」ではなくブランディングのための「投資」であり、パッケージを通しての「資産づくり」と言えます。
パッケージ/貼り箱について、新たな価値や意味を一緒に考えてみませんか?
この上4階、中央奥側に村上紙器工業所のブースを構えていますので、よければ一度お声がけください。私もワクワクしながら、あなたをお待ちしています。
ありがとうございました。
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