紙や厚みの選択の決め手は、ギフトボックス/パッケージをどう仕上げたいか。
公開日:2019年01月24日(木)|貼り箱
加工特性や仕上がり具合は、実際につくってみる。
トーンF(tone-f)という新しい紙。お客様のリクエストがあったので、サンプルを作りました。色は「CG1」、トーンFの中では一番白い紙です。
無彩色ながら紙表面は質感のある豊かな表情をしていて、紙としてはコシのある堅さがあります。
連量は四六判60kg、90kg、160kgの3種類。そのうち貼り箱に使えるのは、60kgか90kgの2つです。
ただ一般的なファンシーペーパーの同じ連量に比べて堅さがあるので60kgでもいいかと思いますが、ちょっと薄い気もします。やはり、テスト貼りをしないと何ともいえません。
そこで、この2種類を試しに貼ってみました。
ポイントは2つ。貼り加工と仕上がりの具合です。
加工しにくいのも難しいですし、最終的な仕上がりがどうなのかも気になるところ。
貼箱の完成写真(上:60kg、下:90kg)でいうと、60kgだとやはりちょっと薄めのため、天面の四辺の角部分は、ちょっとエッジが立ちすぎます。
これはあくまでもサンプル製作なのでキレイですが、この45度の斜め部分の中は空洞なので、本生産だと押さえ加減で凹む場合があります。
90kgだと硬さがあるのでここまでエッジが立ちにくく、角はもう少し柔らかい感じになるでしょうか。
ただし本生産だと数量をつくるとなると個体差も出ますし、数が多いと90kgの硬さはかなりの手間がかかると思います。
あとは、側面の「フラップに紙が重なる部分」は、紙が薄いほど下地が透けるので少し目立ちます。
微妙な違いと言えば、微妙です…。
選択の決め手は、どう仕上げたいか。
コスト優先で、どこかを妥協するか。
それとも、クオリティを求めるか?
どちらの厚みも一長一短があるので、どちらがいいかは箱屋としても判断が難しいですね。
エッジを際立てたいなら60kg、ただし角部分が凹むかもというリスクも。
少し柔らかい感じの方がよければ90kgでしょうか。こちらは、費用的(紙代+加工代)に少しアップするでしょう。
最終的に、化粧箱としてのこの貼り箱を「どう仕上げたいか」が選択の決め手になります。
コスト優先でどこかを妥協するか、ある程度費用がかかってもクオリティを求めるかだと思います…。
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