必要ではないが欲しくなるもの
公開日:2020年05月04日(月)|貼り箱
欲しくなるものには価値がある
私たちの生活では、「生活のために必要だから買うのもの」と「必要ではないが欲しくなるもの」があります。
日常の生活必需品であるトイレットペーパーやゴミ袋などは、別に欲しくて購入しているわけではありません。ないと困るので買っています。
これらは別に「欲しい」わけではないので、どれを選ぶかは価格だったりそのときにあるものだったりします。
そして、必要なくなったら処分されます。
それに対して、必要ではないが欲しくなるもの。
例えば、腕時計は「時間を知る」という機能でいえば、ホームセンターで@1,000円くらいのものも売っています。時間を知るだけなら、これでも十分です。
今ならかなりの人がスマートフォンを持っているので、腕時計すら必要がありません。
ところが腕時計を好きなら、数十万円や数百万円もするものをいくつも持っている人がいます。その究極は、機械式時計の最高峰「トゥールビヨン」です。
トゥールビヨンとは、メーカーのブランド名ではなく時計の複雑機構のひとつの呼び名です。
時間精度でいえば、現在のクォーツ時計だと実用的な時間誤差はほとんどなく、どんなに精度の高い機械式時計でもクォーツ式には絶対勝てません。時間精度だと、間違いなくクォーツ式の圧勝です。
しかし柱時計と違い人が腕につける時計は、縦になったり横になったり時計自体の姿勢が一定ではないため、中のゼンマイなどの機構にかかる重力が変化し刻む時間に誤差が生じます。それを機械的に、姿勢差を解消するための機構がトゥールビヨンです。発明されたのは、今から200年くらい前です。
機能的なことでいうとクォーツ式で十分なものを、わざわざ機械式(しかも精度ではクォーツに劣る)でつくられた腕時計。しかもこのトゥールビヨン、数百の部品を熟練の時計職人が時間をかけて丁寧に組み立てます。そして価格は、1,000万円をくだりません。
一般庶民に買える代物ではないですが、腕時計好きならぜひ身につけたい逸品。
究極の「必要ではないが欲しくなるもの」といえますが、まさに夢とロマンですよね。職人やメーカーは誇りをもって腕時計をつくりますし、購入する人間も欲しくて欲しくてたまらなくて手に入れます。
これらは、価格が安いとか高いとかは関係ありません。
どんなに高価でも、「欲しい」から何としてでも手に入れたくなるのです。
こういうモノづくりって、してみたくないですか?
ブランドコミュニケーションとしてのパッケージ
商品パッケージ、貼り箱も同じ。
同じモノづくりをするなら「しかたなく買うもの」ではなく、人に「欲しい」と思ってもらえるものをつくっていきたいですね。
そのために、私たちが作るパッケージ/貼り箱は単なる包装資材ではなく、企業/ブランドとお客様をつなぐブランドコミュニケーションとしてのパッケージをご提案しています。
ただ消費されるものではなく長期的にみて、パッケージを通してお客様とコミュニケーションすることで、ブランド資産になる化粧箱/貼り箱です。
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【コミュニケーションって、こういうこと】
コミュニケーションって、なんでしょう。ブランディングやコンセプトなどと同じで、わかっているようでも意外とわかっていない(説明しにくい)言葉のひとつかもしれませんね。
【クリエイティブって、こういうこと】
クリエイティブとは創造的ということ。「創造」と聞くと、“じぶんにはできるかなあ”と、難しく感じてしまいますが、「創造」ではなくて「工夫」なんだ。と、言われると「クリエイティブ」の見方が変わりますよね。