パッケージ/化粧箱はコストなのか、ブランディングなのか?
公開日:2020年11月25日(水)|貼り箱
やってきました、iPhone12 ProMax…..!!
今まで使ってたXRより、ひとまわり大きな感じ。老眼が入ってきた歳では、画面が大きくて目には優しいです。
ACアダプターが付いてない分、箱は以前の半分?くらいのサイズ。
先日のMacbookProの箱と比べると、こちらは相変わらず精度が高いですね。
<MacbookProの箱>
箱の設計は、わずかな「控え」が品質を決める
https://www.hakoya.biz/blog/haribako/item_1212.html
ただ少し気になるのは、角部分の紙の「小口(こぐち:紙の断面)」です。
紙の表面全体は印刷の黒、紙の小口は印刷されないので紙本来の「白」。
紙厚分のわずか「0.1〜0.15mm」くらいですが、この白が結構目立ちます。
コストを無視して黒い紙を使い、シルク印刷するなら小口も黒でデザイン的にもキレイなんですが、それをすると紙代と印刷代が一個あたり恐らく@数円?〜以上はアップします。
iPhoneが年間約「2億台」販売されることを考えると、それだけで数億円〜10億円以上のコストアップ。
アップルの売上げと利益からすると大したことはないんですが、さすがのアップルもそこまではしないようですね〜!!
アップルはiPhone発売当初から、そのパッケージ・化粧箱は単なる包装資材としてのコストですはなく、ブランディングのひとつという視点で捉えていました。
それはアップルというより、スティーブ・ジョブズの考え方でした。
社内ではパッケージにこれだけのコストをかけることを反対していましたが、ジョブズは「このパッケージが、アップルとしてのブランドの象徴になる」と考えていました。
開封の儀、Unboxing
事実、アップルファンが新しいiPhoneを買った時にこのパッケージからiPhoneを取り出すところをビデオに撮り、You Tubeにアップされた映像が世界で数十万件あるといわれています。
これをファンの間では「開封の儀」、つまり一つの儀式(英語でUnboxing)として捉えられています。
技術的にも世界でトップレベルの箱(貼り箱)であり、10年以上前に自社商品の化粧箱にこの貼り箱を使ったことは驚異的だと思います。
今では機械や加工技術の進化で、当初に比べると安価に生産できるようです。
それでも年間約2億台販売される商品パッケージに、単価@数百円かける(トータルのパッケージ代は数百億円?)というのは、パッケージが「ブランディングへの投資」であり、長い目でみてブランド資産になるという考え方なのです。
それが世間では、「高級品=iPhoneのような箱に入っている」という代名詞になっています。
化粧箱・パッケージが考え方一つで、コストにもブランディングにもなる典型的な事例です…。
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