化粧箱/パッケージは設計と仕上げのディテールが大切
公開日:2020年12月04日(金)|貼り箱
かなり鋭角な菱形の貼り箱です。
パッケージデザインとしては斬新でいいかもしれませんが、貼り箱の構造的にはかなり無理があります。
あくまでも、パッケージデザインを優先して作られたと推測ができます。
パッケージデザインはいろいろな考え方があって、商品パッケージは「販売=売上」に直結するため、パット見の人の目を引くためにカタチ(形状)にこだわることもあります。
あるいは、パッケージに印刷してあるコピーが大事な場合もあります。
それぞれの企業の思惑があるので、化粧箱としてどれが正解という訳ではありません。
この場合は、カタチ(デザイン)を一番に考えたのでしょう。
それはいいのですが、貼り箱をつくることを考えると構造的に無理があります。
カタチとして作れなくはないのですが、これをみるとわかるように特にディテール部分は「キレイ」には仕上がりません。
これだけ角が鋭角になると、先端分の処理がちゃんと出来ません。
中芯のボール紙が1mm厚くらいはあるので、この鋭角では中芯部分でキレイにまとまりません。
そして何よりその上からファンシーペーパーなどを貼るわけですから、仕上げそのものがキレイには仕上がりません。かなり、無理をして作る感じです。
貼り箱の設計自体も無理がありますし、加工や仕上がりも事前に想定が出来ます。
そのため仕上がりはご覧のとおりで、私たちの感覚だと「ん〜〜〜。」と声がでない感じです。
クライアント企業が「これでよし」としたのでいいんですが、弊社にもしこの案件が来たらまずはデザイナーやクライアントと「本当にこれでいいのか」を話合うでしょうね。
仕上がりのクオリティとしていいものは難しいですし、これだけの変形貼り箱だと当然かなりの費用もかかります。
お金をかけた割には、クオリティ的にいいものに仕上がらない。
あとは、落としどころをどこに持ってくるかです。
クオリティは置いといて、デザインを優先するのか?
かかるコストは、許容出来るのか?
それとも、デザインよりやはりクオリティなのか?
最終判断はクライアント企業だと思いますがそれはある意味、クライアントのパッケージに対する、もっというとブランドに対する姿勢の表れです。
さて、あなたはどう感じるでしょうか?
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