箱に酔う。
公開日:2021年01月03日(日)|貼り箱
箱、化粧箱、パッケージは、企業と顧客をつなぐ。
まさに、そういう存在。
箱は、あなたを酔わす。
箱に、酔ってみませんか。
ウイスキーも貼り箱も、人の手で丁寧につくる価値
米国ケンタッキー州の小さな蒸溜所でつくられる、メーカーズマークというバーボン・ウイスキーの銘酒があります。昔ながらの製法で作られるそのこだわりは、瓶に貼られたラベルも昔からある活版印刷機を使って刷られています。
そして、一番大きな特徴は赤い封蝋。
瓶詰めされたボトルは作業工程の中で赤く封蝋されるのですが、何とすべて手作業で行われています。まさに世界に二つとないボトルが出来上がります。
生産性や効率を考えると、どう考えても自動化ラインでするのが普通でしょう。
しかし、この蒸溜所では昔ながらの手作業にこだわっています。
量産としてはとんでもなく手間がかかり非効率な作業ですが、一つ一つ丁寧につくられたメーカーズマークはメーカーとしての伝統とこだわりです。
この作業工程の映像をみると、そこにはつくり手の思いが込められていると感じざるを得ません。
<メーカーズマーク>
手作業で封蝋をしている工場(封蝋作業は30秒あたりから)
貼り箱は人の手で丁寧につくる。
私たちがつくる化粧箱、貼り箱も同じです。
貼り箱は大きく分けて自動制御の機械でつくる大量生産と、私たちのように多品種小ロットの貼り箱をつくっている会社があります。
量産型の会社は、洋菓子などの貼り箱を1ロットで数千〜数万個、もしくは数十万個以上の貼り箱を生産します。
それに対して手加工はその対極で、弊社では主に数百個〜1,000個、2,000個といったロット数で、中にはロット50個なんていう注文もあります。
その代り量産型の自動機では貼れないような複雑な構造の貼り箱など、手加工ならではの微妙な手加減が必要な貼り箱を得意としています。
時間と手間がすごくかかるのでとても効率的とはいえませんが、一般的な貼り箱とは一味違うものを作っています。
そこは同じ貼り箱でも、ある意味「別物」かもしれません。
大量にコストを抑えて作る量産品、数量は少ないけれどある程度の予算をかけて手の込んだ高品質な貼り箱。
特に弊社の場合は貼り箱というモノ(ハード)だけではなく、その貼り箱がお客様にとってどういう価値提供ができるのかを考えて作っています。
商品のコンセプトや企業の思いを、どうパッケージデザインとして落とし込むかです。
モノよりも、コト(価値)の時代へ。
単純に見た目が「カッコいい」とか「高級感がある」というだけではその魅力は伝わりません。
目に見えるもの(モノ)だけでなく、目には見えないけれどその商品をどう感じるかが大切です。
今の効率や生産性重視の時代だからこそ、商品にも「人の手で丁寧につくるパッケージ(貼り箱)」に価値があるのかもしれません。
そんな貼り箱に、あなたも酔ってみませんか?
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貼り箱ディレクターである村上誠(村上紙器工業所 代表)と親交のあるクリエイティブに関わる方が、パッケージやデザインに関するアイデア、視点、果てはお互いの考え方や生き方について語らいます。