真空管の艶やかな音色・・・
公開日:2010年04月26日(月)|音楽・写真
約3年前に買った真空管アンプのキットが、ずっと押し入れの中で眠っていましたが、やっとのことハンダゴテ片手に作り上げました。
長い間ほったらかしにしていましたが、えいやーとばかりに思いきらないとなかなか作ることが出来ませんでした。
作ったのはサン・オーディオ「SV-2A3」という、直熱3極管「2A3」を使ったシングル無帰還アンプです。
出力は、3.5W + 3.5W。「SV−2A3」キットの組立工程はこちら。
一見非力に思いますが、これがなかなかどうして心地よくスピーカーを鳴らしてくれます。
最近聴くには殆どジャズばかりですが、しっとりと艶のある音色は今まで使っていた石のアンプとは、かなり違いますね。
元々アンプは、サンスイのAU-D607から始まり(約30年くらい前)、ここ最近は同じサンスイのAU-D907Fを使っていました。
もちろんこれらは素晴らしいアンプですが、やはり一度は「球」のアンプで聴きたいと思っていました。
念願かなっての「2A3シングル・アンプ」。
ピアノ・トリオもいいけど、ここはやっぱりジャズの女性ボーカルでしょうか。
澤野工房から出ている ニコレッタ・セーケ「MY SONG」。
聴き手を柔らかに包み込みながら、時折のぞくハスキーヴォイス。ロバート・ラカトシュの奏でる情感豊かなピアノは、柔らかな光を反射する湖面を描いた水彩画のように、ステージをシックに彩ります。
ニコレッタは艶めきながら明るく歌い上げるも、どこか愁いを感じさせるのは、東欧ハンガリーに生を受け、ジプシー音楽出身というアイデンティティのせいかもしれません。華やかさの中にも、確かに感じ取れる哀愁、その正反対の魅力が絶妙に溶け合い、私たちを惹き付けるのでしょう。(澤野工房 作品解説より)
これから、どんな色気のある音を聴かせてくれるのか・・・楽しみな時間をくれる真空管です。