黒谷和紙「工芸の里」(3)
公開日:2009年07月11日(土)|ワークショップ
京都綾部にある黒谷和紙「工芸の里」での「和紙漉き体験」シリーズの最終回です。
いよいよ、我々参加者で「紙漉き」を行なっていきます。
前回の本格的な簀桁(すげた)とは違い、今度は「体験用」のハガキ・サイズが8枚漉けるというものです。
「これなら、簡単(笑)!」と思いながら、まず職人さんが見本を見せてくれます。
確かに、ハガキ・サイズという小さな面積なので、初めて人でも「ムラ」になることは
殆どないでしょう。
それにしても、一度に8枚も漉けるのはいいですね。
コツは大きさに関係なく、「紙素(しそ)」の入った水を、まんべんなく簀桁に馴染ませること。
そのため、水を沢山すくってからかなりの勢いで、簀桁を前後左右にゆすります。
そうすることで、「紙素」が均等に広がり、水平な紙になるのでです。
ここでは、一旦一層目を漉き、その上から色の着いた「紙素」をチューブで置き、再度その表面にもう一層「紙素」を漉いていきます。
最後の3層目は、色の着いた「紙素」を固定させるために、幕を張るような役目をします。
和紙職人さんの指導の元、本場の「黒谷和紙」の産地で行なった「紙漉き」。
今回、和紙が出来るまでの長い工程を、実際の現場を見ながら学ぶことができたのは、ホントに貴重な体験でした。
最初にも書きましたが、これだけ手間暇をかけて作る黒谷和紙は、「貼箱」の製作過程に通じるところが沢山ありました。
出来てしまうと一枚の「紙」ですが、材料の収穫から紙の元である「紙素」に至までの手間と時間の掛かる工程は、「貼箱」という形になるまでの多くの手間暇をかけるのに、とてもよく似ていました。
ここにも、日本の「職人魂」が生きていることに、誇りを感じます。
世間では、なかなか注目されることもないのですが、こういった「ものづくり」に対する職人の魂や息吹を感じることが出来たのは、素晴らしい経験でした。
「貼箱製作工程」は、こちらをご覧ください。
我々も「貼箱」を通して、「ものづくりの魂」を伝えていきたいです。