「ブランディングって、こういうこと」の2回目です。日ごろ、代表の村上がブランディング、ブランディングと連呼しているおかげで、 “村上紙器工業所=ブランディング”というイメージができてきました。でも皆さん、ブランディングということをなんとなくわかったような気分で済ませていませんか。このシリーズでは、ブランディングをやさしく解説していきます。これを読んでいただくと、なぜ村上紙器工業所の貼り箱が“意思を運ぶ箱”なのかをご理解いただけるのではないでしょうか。ご意見やご質問も受け付けますので、遠慮なくお寄せください。必ずお返事を掲載します。


あるブランドのイメージが、どうやってアナタのアタマの中で出来あがっていくのかを考えてみてください。けっして、一度だけ出会ったときの印象でそのブランドのイメージが出来あがっているわけではないですよね。一度だけ出会ったときの印象は第一印象として残っていたとしても、それがそのブランドのイメージに結びついていますか。そうではないと思いますよ。人間に置き換えても同じでしょ?「カッコ良いひとだったなあ」「すごくオシャレだったなあ」「ハスキーな声だったなあ」そんな断片的な記憶はあっても、1回の出会いだけではそのひとがどんなイメージのひとかを明快に語れるほどの情報量は得られないということです。
ひとには情報が必要です。ひとは情報で判断する動物ですから。情報は情報でも、情報の量と質と言ってもいいかもしれません。ふつうは一期一会なんていうのはなくて、何度か出会うものです。いろんなところで出会ったときの印象=イメージが積み重なって、そのひとのイメージというものが出来あがっていきます。
ひとを商品や企業と考えたら、広告、名刺、制服、パンフレット、HP、パッケージ、社屋、看板など、いろんなところでイメージと接触しています。それらの記憶が積み重なって、ハッキリとしたイメージになっていきます。(図1)

出会ったイメージの積み重ねは、“イメージの総体”という言葉で言い表すことができます。“ブランドイメージとはイメージの総体がつくるもの”と言って良いでしょう。
あるひとの言うことがいつもコロコロ変わるとしましょう。そのひとが、どんな考え方の持ち主か、あなたにはわかりますか。あるひとが見るたびに違うファッションで登場するとしたら、どうでしょう。そのひとのイメージはあなたの中でハッキリと固まっていきますか。もし、そんな状態でブランディングを意図していたとしたら、どうでしょう。ブランドイメージなんかできっこないですね。ブランディングというのは、イメージの総体を作っていって、こういうブランドイメージなんだと明快にしていくことなんです。
「図2」をみてください。

まず、名前をつけたりロゴをつくったりして商品を売り出したとしますね。この段階では「ブランドを立ち上げた」にすぎません。立ちあげたら「図1」のように、いろんなところで出会うイメージを積み重ねて“イメージの総体”を作り上げていかねばなりません。ブランドイメージを醸成していく期間なので「ブランド構築期」と呼びます。同じカテゴリーのライバルたちと明快に差異化できてきたら「ブランドンになった」つまり「ブランドを確立」できたというわけです。
せっかくブランドを立ちあげても、ブランド構築できていない。ましてやブランド確立まで到達しない例が世の中には散見されます。それは、なぜでしょう。ここでは、広告、パンフレット、名刺、HPなどと具体名で示していますが、これらはコンタクトポイントもしくはタッチポイントなどと呼ばれています。「ブランドイメージに影響を与えるターゲットとの接点」と定義できます。「図1」のように、いろんなコンタクトポイントで同じようなイメージに見えていたら、イメージの総体もできやすいし、時間も短縮できます。
さて、あなたが関わっているブランディングは、このような仕組みになっていますか。
ブランディングとは、こう解釈してください。

いかがですか、少し“ブランディング”の理解が進みましたか。
もし、ブランディングがうまく行っていないとしたら、ブランディングを正しく理解できていないか、ブランド構築の方法論に問題があるのではないでしょうか。ブランディングとはすべてのコンタクトポイントが“ブランドの意思を運んでくれること”で醸成されていくものなのです。(そう、貼り箱はコンタクトポイントなのです!)