村上紙器工業所の新コンテンツ「ブランディングって、こういうこと」も3回目になりました。皆さん、少しずつでもブランディングのことが理解できてきましたか。このシリーズでは、5回にわたってブランディングをやさしく解説していきます。なぜ村上紙器工業所の貼り箱が“意思を運ぶ箱”なのか、どうして代表の村上がブランディングを力説するのかをご理解いただけると思います。ご意見やご質問を受け付けますので、お気軽にお寄せください。必ずお返事を掲載します。
“ローマは一日にして成らず”ということわざがあります。意味はご存じの通りです。じつは、“ブランディングも一日にして成らず”なんですね。ブランドを立ち上げてブランドになっていくには、辛抱強い活動と長い期間が必要です。媒体やプロモーションに莫大な費用を投下して一気にブランドイメージをつくりあげるような手法を展開するのでなければ(って、そんなことができるのは大きな企業ですよね)、地道にアタマを使って汗をかいて、根気よく一つの考え方でぶれずに続けていかないと、ブランドイメージ(前回、イメージの総体という言葉で説明しました)は一夜にして出来あがるようなものではないのです。そんなことは想像してみればわかりますよね。
じつはブランディングという活動は、大企業よりも中小企業に効果的です。なぜかといえば、“広告(有料のメディアを使う)を用いないでも広告効果を得ることができる”のがブランディングだからです。大企業はふだんから広告をたくさん露出していますから、すでに企業名や商品は知れ渡り、イメージの刷り込みもできています。つまり、普段の広告活動が充分にブランディング効果をもたらしています。だから、計画的かつ戦略的に広告を展開していればブランディングしているのと同じことになります。
さて、話を元に戻します。長くやっていくには、どうすれば良いのでしょうか。ただひたすら辛抱するだけでしょうか。辛抱して続ければいいだけなら、どんな会社のブランディングも成功しているはずです。でも、現実はそうじゃない。それには、ちゃんと理由があります。
それは、ね。コンセプトやアイデアが長く使えるものじゃないから効果を出せるようなブランディング活動を継続できない、ということに尽きます。コンセプトとひと言で括られていますが、コンセプトにも長く使えるものとすぐに風化するものがあります。コンセプトですらそうですから、コピーやデザインなどのクリエイティブは時流を追ったものであるほど古めかしくなるのが早いものです。“バズる”とか“インスタ映え”とか、そんな表層的なことばかり追い求めないで、その企業や商品にとっての本質的な部分で考えたコンセプトやクリエイティブであるべきなのです。本質は古くなりません。錆びることもありません。いつまでも使い続けることができる「錆びないコンセプト」「錆びないクリエイティブ」を旗印として長く掲げ続ければ、良い結果を呼ぶことができるでしょう。それがブランディングの肝なのです。
村上紙器工業所の「意思を運ぶ箱。」は、2019年にデビューしてもう3年使っています。(2022年現在)でも、まだまだ使い続けていくことでさらに効果を出していきたいと考えています。もちろん、錆びないという確信もあります。
「意思を運ぶ箱。」はまずHPのtopページで発信しました。
そして、次に名刺にデザインしました。
さらに展示会やセミナーでもフライヤーやポスター、映像で露出しています。
手前味噌ですが、このコピーを見て、パッケージを依頼するならこの会社しかないとコンタクトしてくださるお客さまもいらっしゃるほどです。それは、一重に長く使いつづけることができるコンセプトとクリエイティブであること。それと同時に、どんどんと使うシーンを増やしていくことができる汎用力を持ったコンセプトとクリエイティブであることも大事な要件になります。この汎用力については機会を見つけてまたお話しします。こうやって村上紙器なりにイメージの総体をつくりあげています。ブランディングには経営者の覚悟も問われるかもしれませんね。
ブランドイメージを醸成していくということは、次の言葉のとおりだと肝に命じてください。
だんだんと“ブランディング”への理解が深まってきましたか。もし、ブランディングがうまく行っていないとしたら、錆びやすいコンセプトやクリエイティブを採用していませんか。困ったときには、振り出しに戻ることです。面倒だけどコンセプトまで立ち返って、見直してみましょう。