高級イヤホン(海外向け)のパッケージ、化粧箱
公開日:2011年11月10日(木)
音響機器メーカーさんから、ご依頼いただいた貼箱です。
既存のイヤホン(earphone)とは一線を画すかなり尖った商品のため、パッケージも尖った感じにデザインされています。
そのメーカーさんは、今まで自社製品であるイヤホンのパッケージは「トムソン箱(組箱)」を多く使われていました。
最初電話でお問い合わせをいただき、「すぐに打ち合わせをしたいので、伺います。」とのことで、翌日東京からお越しくださいました。
担当者の方からお話を伺いましたが(弊社では貼箱を作る前に、箱の中に入る商品のコンセプトや販売方法、そしてその企業の商品に対する“思い”などをヒアリングさせていただいています)、このイヤホンはとても興味深い商品でした。
私は元々オーディオファンでもあるのですが、「音楽はスピーカーで聴く」ことが前提だと思っていたので、今までイヤホンにあまり興味がありませんでした。
しかしお話を聞くと、国内及び海外でも「イヤホン市場」はとても大きいらしいのです。
例えば、iPodなどの携帯音楽プレーヤーを買うと、イヤホンは付属品として付いてきます。私もiPodやいPhoneを使っていますが、付属品のイヤホンでもそれなりにちゃんと聴けるので、それとは別に購入しようとは正直思ったことがありませんでした。
しかしお聞きすると、よく売れる数千円代のイヤホンから数万円レベルのもの、あるいは十万円を越えるものまで各メーカーが沢山のバリエーションを揃えているそうです。
そこで、新商品のパッケージとして、弊社へのご指名をいただきました。
直接ではないのですが、担当者の方がかなり前に弊社の貼箱を使っていただいたらしく、それを憶えていただいていました。
「今回のイヤホンそのものが尖った商品なので、パッケージにもその感じを出したい。」と、パッケージデザインもかなり斬新なものを求めておられました。
弊社にていろいろな貼箱サンプルをご覧いただきましたが、その中で選んでいただいたのがこの「うるし紙のクロコ(黒)」。
オーディオ機器のひとつである「イヤホン」のパッケージとしては、かなり斬新な意匠です。
早速その場で細かい仕様を詰めて、サンプル製作になりました。
ゲス(商品を納める部分)は今回ウレタンですが、通常は大きさに少し余裕を持たせます。サンプル製作でもそうでしたが、ウレタンなので逆に「キツイ目にして下さい。」とのことで、修正が入りました。ウレタン用木型を寸法修正のため作り直し、本生産に挑みました。
そうして出来上がったのが、この「貼箱」です。
何でもパッケージがよくないと、特に海外の場合販売店が取り扱いをしてくれないとのことでした。
国内販売とは、またちょっと事情が違うようです。
それにしても、このメーカーさんのイヤホンへの「こだわり」は素晴らしいです。
「音」へのこだわりはもちろんですが、とても興味深いのはイヤホンそのもの(筐体)へのこだわり。
一般的なプラスチック成型ではなく、素材に「クロム胴」などの金属を金型によるプレス加工ではなく、「削り出し」で作っていることです。
このメーカーさんのサイトで、雅楽師の東儀秀樹さんが「こんな常識外れでバカバカしいとも思えることをやるメーカーがまだ日本にあるんだと思って、本当にうれしくなりました。」と述べておられます。
そんな「常識外れの尖ったイヤホン」、それが入るパッケージが尖っていてもオモシロイじゃないかと感じました。
メーカー担当者のイヤホンへの「思い」が、隅々にまで行き渡っています。
今の日本のモノづくり・・・効率化や価格競争だけでなく、こんな作り手の思いをお客様に届けてみてはどうでしょうか!
貼箱の<お問い合わせ>は、こちらからお願い致します。
パッケージは、「商品」そして「企業」の “ブランド価値” を伝えるものです。
そして、その善し悪しは “売り上げ” に直結します…..!!
撮影:EOS 6D + EF24-70/4L
Photo by Makoto Murakami(村上紙器工業所)
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