美しいシルエットのハイヒール・ブランドを伝えるパッケージ/貼り箱/化粧箱
公開日:2017年12月06日(水)
パッケージ、化粧箱はコストではなくブランドへの投資
シンプルで細部にまでこだわった美しいシルエットと鮮やかな色、そして素材感。
9cmヒールでも、快適に履けるように考えられたハイヒールパンプス。
ハイヒール専門の高級婦人靴ブランドとして発足した新しい会社様から、ご依頼をいただいた貼り箱、化粧箱です。
当初はフタを開けると紙箱の中に、「ハイヒールが立っている」ようにというご要望でした。ハイヒールに限らず「靴」という商品の難しさは、サイズ違いがあるということです。
この靴の場合、「21.5cm」から「25cm」までの「0.5cm」ごとサイズがあるとのことで、その差は「3.5cm」。「ハイヒールを立ったまま」という形状はかなり複雑で、しかも「35mm」のサイズ違いですと、ゲス(内装部分)を使って固定するのは、いくら何でも無理があると判断しました。
そこで、オーソドックスな「靴を寝かせる」形状にしました。
ただしそれでも「35mm」の違いは、かなり難しいものがあります。
ハイヒールということで皮革製品であり、いろいろな革が使われます。
それらを納めたときに、ゲスのあたり具合で型がついても困りますし、いろいろと考えた末にボール紙でつくったゲスの中に型抜きしたウレタンをはめ込みました。
これでゲス断面部分はウレタンで守られるため、ハイヒールの固定にはやさしいなります。
その上から白いサテン(繻子)を張り、見た目にもやさしく高級感のある内装に仕上げています。
貼箱の場合、外観の美しさはもちろんですが、今回のように商品を固定する内装部分(ゲス)がとても重要になります。
商品をきちっと固定しながら保護する機能的な役割、そして単に「固定されていればいい」訳ではなく、特に高級品であればその商品のブランド価値を、どうやって伝えていくかがとても大切です。
もちろん現実的には、ご予算的なことも考えなければなりません。
ただ大切なことは、ご予算を優先させるあまり、商品に見合ったパッケージとはかけ離れたものになってしまっては、それは本末転倒になってしまいます。
そのバランスが、とても大事ですね。
シンプルで美しく、ブランドの本質をデザインする化粧箱
パッケージから考えるブランディング
今回は、「シンプルで細部にまでこだわった、美しいシルエットと鮮やかな色。そして素材感のある、履き心地のいいハイヒールブランド」を、伝えるためのパッケージ。
それは「靴をしっかりと納める機能」と、出来る限り「シンプルで美しいもの」であるべきです。
内装部分とともに、黒を基調にしたモノトーンで上質感のある美しい貼箱に仕上げました。
貼った紙は「紙クロス」という、エンボス(凹凸模様)の入った重厚感のある表現豊かな質感の紙です(CMFデザイン)。
そこにロゴを、シルバーの箔押し。
至ってシンプルで、飽きの来ない美しいシルエットに仕上げています。
掲載用の写真撮影でお借りしたハイヒールは、スエードレザーのピンクとペールピンク。
優しい薄めのピンクと、妖艶な感じの色っぽいピンクです。
モノトーンのシンプルな貼箱に収まるハイヒール。
これからもこのブランド価値を伝える、上質なパッケージになることを祈っています…。
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撮影:EOS 6D +Makro-Planar T* 60/2.8
Photo by Makoto Murakami
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