パッケージ(貼り箱)戦略におけるブランド・ストーリー
公開日:2018年7月11日(水)|お知らせ
日報ビジネス包装編集部の吉野様に取材いただき、弊社取引先様の記事を「包装タイムス7/9号」に掲載していただきました。
企業のパッケージ戦略についてインタビューした、ひとつのブランドのパッケージが出来るまでのブランド・ストーリーです。
手作りの貼り箱が、愛情を込めてブランドを伝える。
<イタリア職人の“心”届ける>
今春、日本に初上陸を果たしたイタリア製ブランドがある。「AXPASIA(アクスパジア)」がそれだ。イタリアに拠点を持つ老舗革加工メーカー・Novello S.r.lが立ち上げたオリジナルブランドで、最高級の素材と職人の技にこだわった本格派レザー製品としている。ラインナップにはiPhoneケースを揃え、美しさと機能性を両立したアイテムとして展開している。同ブランドに惚れ込み、日本総輸入代理店として販売展開に力を入れるのが貿易商社のHeartfelt(岡山市中区、℡050・5243・2388)。
代表取締役の小橋孝章氏が同ブランドの魅力を広めるため、たった一人で立ち上げた会社だ。商品パッケージへのこだわりもひとしおで、自ら貼り箱メーカーを探し、ブランドコンセプトを伝え依頼した。
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パッケージ制作はイタリアのブランド本部との話し合いから始まった。「輸入搬送の課程で、どうしても箱に傷が入ってしまう」。日本国内での流通商品に限り、日本製パッケージを作ることにした。
早速、インターネットを介しメーカーの検索へ。各社のHPを読み込む中、とある1社のトップ画面に目が留まる。その会社とは大阪の貼り箱メーカー、村上紙器工業所。トップ画面に謳われていた「センスを、包む!」とのメッセージに心が動き、すぐさま電話をかけた。
打合せを重ねる中、村上氏から感じられたのは並々ならぬ貼り箱への情熱だった。箱の開けやすさや使用する紙の素材、箔押しの大きさや位置にいたるまで、一緒に検討を進めていった。期待以上のサンプルに感動。運命的な出会いであると確信を深めた。
「AXPASIA」は“100%MADE IN ITALY”にこだわり、ハンドメイド工程を含めて全て自社工房で作られている。エレガントなイタリアンテイストのデザインを、伝統職人たちが丁寧な手さばきで加工。美しいステッチに上質なエンボス加工、細部にいたる丁寧な編み込み技術は「AXPASIA」工房独自の技術として確立されている。
一方で村上紙器工業所が仕上げる貼箱も手加工で作られている。「その丁寧な仕事ぶりは、まるで『AXPASIA』そのもの」と話す。
小橋氏と「AXPASIA」の出会いは今から1年前のこと。有名プログラマーとして数々のアプリケーション開発に奔走する毎日だったが、「楽しさ伝える本質を追求したい」と貿易商社を志した。以前より興味のあった欧州へ赴き、情報収集に努める日々。そんな時に出会ったのが「AXPASIA」の生みの親、アレッサンドロ・ノベッロ氏だった。
ゆくゆくは老舗革加工メーカー・Novello S.r.lを継承するであろう同氏。若干31歳という若さにも関わらず、で、自社の革加工技術に対し、揺るがぬ誇りと自信に満ち溢れていたという。
日本上陸後、東京を中心に積極的な催事に取り組んでいる。「AXPASIAの本質やその背景を身近に感じていただければ」と小橋氏。イタリア職人の温もりを日本製貼り箱が愛情込めて伝えていく。
—– 包装タイムス 2018年7/9号掲載 —–
パッケージが、ブランドストーリーを伝えるツールになる。
単なる包装資材ではなく、パッケージ/化粧箱がそのブランドの「意味」を運んでくれます。